香川県高松市に生まれ、東京藝術大学鍛金専攻科を卒業しました。在学中は三井安蘇夫に師事、鍛金による自在な造形を目指して独創的な作品を発表しました。主に日展で活躍、自由な創作活動を目指しながら近年「技法」というものを再確認し、現在は日本伝統工芸展などで活躍しています。
本作は、銀で斑文を象嵌し、金消しを用いて、さらに鉄さび着色を施した鉄地の置物です。珠鶏の頭部は、その闊達さを十分に表しています。また羽を膨らませた珠鶏の姿は、どこかしらユーモアもたたえており、象嵌した多くの斑文が、そこに賑やかさを加え、静的な置物に興趣を添えています。